何しにここにいるんだかもわからない、という母

眠るのだか起きているつもりなのか、ベッドに腰掛けたままの母。
  
私も寝なけりゃならないから様子を見に行った。
  
「眠くないからこうしているけど。何しにここにいるんだかわからない」と言う。
ここは幸町の自分の家で、この人誰だかわかるかいと私を指差して見せるが「誰だかわからない」と。
  
名前を言ってみるが、「はぁ、、、」と自分が産んだ子とも、何とも反応がない。
  
「いつからここに来てるの」とか、「何、仕事しているの」とか聞かれても、この時間になると自分の家にいることも家族ということも説明して理解、納得する話ではない。
   
 
誰かわからない人に世話になっているということだけで、「これから何すればいいの」と居場所のない不安感だけか。
 
 
 
昨日は念仏でも唱えていたらと言ったら、隣にまで聞こえそうな声で「ナマンダブ」と唱えていた。
 
滅多なことも言えないが、「早くお迎え来てくださいと頼んでいるんだ」と返して来た。
 
 
 
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